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  • お客様インタビュー

個店エフェクト|若手アーティストのプラットフォーム。日本のアートの可能性を広げる、カフェバーのあるギャラリー

update :

個店エフェクト。小さな個店が人を介して活気のある街、“場”をつくる。それを私たちは“個店エフェクト”と呼びます。クロノバデザインが手がけた“人の集まる場”はどんなエフェクトをおこすのか。オーナーの思いを伺いました。

アートプロデューサー 李藝さん
ギャラリーの立ち上げから参画し、展示や企画イベントに携わる。


INDEX

1. 今、東京にギャラリーをつくり、南青山に移転した理由
2. 「優秀なアーティストが自由に力を発揮できるプラットフォーム」とは?
3 . 清アートスペースの場づくり
4. クロノバデザインの場づくり
5. クロノバデザインより

外苑前駅から徒歩4分。ワタリウム美術館や、インテリアブランドの旗艦店、スタジオ、カフェなどが立ち並ぶ外苑西通りから少し入った場所に、2019年11月に移転リニューアルオープンしたギャラリー、清アートスペースに訪れました。

今、東京にギャラリーをつくり、南青山に移転した理由

このギャラリーは日本、中国、アジアの若手アーティストの作品を展示するギャラリーですが、現在コンテンポラリーアートの市場が活気づいている中国でなく、あえて東京にギャラリーをつくったのはなぜでしょうか?
アジアは、雄大な海に囲まれてもなお余りあるほどの広大な空間です。そこに暮らす人々の歴史はきわめて長く、変化に富んだ豊かな文化が生み出されてきました。アジアにゆかりのある現代アートを通して都市、文化、歴史、社会的な分野に関心や創作への理解を深め、人々との繋がりを図り、アーティストがグローバルに活躍していくために設立しました。古来から中国と日本は文化交流がありました。でも今の、現代中国のアートやアーティストは日本ではあまり知られていませんし、中国でも同様の事が言えます。日本と中国の将来性のあるアーティストを東京で知ってほしいという思いがありギャラリーをつくりました。アートの「いま」を発信するとともに、新たな可能性や将来性を広め、多様な文化の交流を促進することを目指しています。

ギャラリーといえば銀座というイメージがありますが移転前に西麻布、今回南青山の立地にしたのはなぜでしょう?
ギャラリーといえば銀座に数多くあるのですが、そのスタイルは伝統的でした。もともと移転前の西麻布につくったのは、清アートスペースは、コンテンポラリーアートに限らず様々なジャンルのアートを展示する予定で、広くアートを見てもらうために商業施設が近くにあったり、外国人が多く訪れるエリアを探した流れで六本木にも近い西麻布にしました。

オリンピック開催にあわせて去年(2019)の6月から移転を計画してきました。若者や外国人にもっと見てもらいたいという思いで原宿や表参道にも近く、オリンピック会場の新国立競技場にも近い南青山の立地にしました。

移転後の変化はいかがですか?
移転後は地域の方や若い方が訪れるようになって客層が変わりました。
アーティストとの交流の場が無いことを移転前は課題に感じており、今回カフェバーを設置しました。美術館のラウンジのようなイメージです。移転前は、展示のお知らせをしてお客様が訪れることが多かったのですが、移転後は客層に変化があって地域の方がよく来てくれるようになりました。住民の方、デザイン事務所で働くデザイナー、ヘアサロンで働く方、そして外国人観光客です。もちろんカフェだけの利用もあります。南青山は美意識が高くアートに関心が高い立地だと感じています。

カフェバーができたことで、一般の方が気軽にアートに触れる機会ができたんですね。カフェバーにはアート関係の蔵書が図書館のように並べられていますが、お客様はどのように過ごしていますか?
最初は遠慮して、あまり本を手に取ってくれる人がいませんでしたが、「閲覧できますよ」と一声掛けたことでだんだん本を開いてくれるようになってきました。例えばデザイン事務所の打ち合わせでカフェを利用した方は、本を手に取りながら話をしていて、クリエイティブな人たちの仕事の役に立つ蔵書になっていると思います。

「優秀なアーティストが自由に力を発揮できるプラットフォーム」とは?

若手アーティストの支援をされているそうですが、具体的にどの様な事をしているのでしょうか?
日本のギャラリーは2種類あります。貸しスペースとしてのギャラリーと、アーティストのサポートとマネジメントをするギャラリーです。清アートスペースは後者になります。日本の若手アーティストは学校を卒業したばかりで作品づくりに苦労している方がほとんどです。仕事をしながら作品をつくるので、集中できる環境ではありません。こちらのギャラリーでは優秀な若手アーティストの作品展示を無償で行うことを足がかりに、その後マネジメントまで広げていきたいと考えています。

自由にアート活動に専念できるように支援するのは画期的ですね!マネジメントというのは具体的にどのような事でしょうか?
作品のPR、お客様との交流です。整った環境の中で作品をつくり、発表の場を用意します。以前、若手アーティストのグループ展を実施しました。その展示に中国の美術館関係者が見に来て、それをきっかけに、中国の美術館へのグループ展の誘いが来ました。このように、チャンスをこの場では掴むことができます。事前にギャラリーへご連絡をいただければアーティストの作品をみます。作品集やHP、動画などで作品を見せてください。

清アートスペースの場づくり

どのような場をつくっていきたいですか?
日本の従来のギャラリーではあまり扱っていない作品に光を当てたいと思っています。
例えば作品ジャンル、インスタレーション、映像などのコレクションや、スペースの都合で発表できなかったサイズの大きい作品などです。

他にも展示自体の面白さ、アーティストの思いを空間から伝えたいです。
日本のギャラリーでは展示の構成にアーティストの意向があまり考慮されてきませんでした。展示以外にもアーティストの思いの含まれたイベントをしていきたいです。今考えているのは、ミュージシャンとのコラボレーション、ドローイングイベントです。一般のお客様との交流が生まれるような、アーティストが目指したいことを形にしたイベントをつくっていきたいと思っています。今、今年6月にミュージシャンとのコラボレーション企画を準備しています。

今後の展望をおしえてください。
オリンピックをきっかけに様々な国の方に見に来てほしいです。また、若い方、制作側の人にきてもらい、アーティストとの交流の場にしていきたいです。そして今何に(アーティスト、ギャラリーが)関心をもっているのか世の中の人に知ってほしい。
もう一つ、展示の成果をギャラリーとして研究、発信していきたいと考えています。作品を通して何を伝えたいのか、美術史の中でどんなものがこれから生まれてくるのか学術的な立場で評価、解釈し、世に発信していきたい。発信の仕方は展示や印刷物など柔軟に考えています。

クロノバデザインの場づくり

今回移転リニューアルとのことで、デザイン会社をどのように選ばれたのでしょうか?
以前のギャラリーと比べて客層を変え、若者向けの入りやすい、おしゃれなイメージでつくりたかったので、それが得意そうな業者を探しました。
複数の会社で比較しましたが、クロノバデザインは面白いレイアウトの提案がありました。例えばカフェバーのカウンターはアートの視点があるデザインの提案で、共通点を感じました。(パースではない)手描きスケッチの提案が他社と比べて楽しい印象でした。

当初からご要望が具体的でした。「打ちっぱなしのコンクリート、ポイントに木をつかう」とのことで、完成イメージが明確だった理由を教えてください。
コンクリートはクールで中立なグレーです。作品の背景になるということで選びました。ただ、コンクリートは冷たい印象もある。そこで木をポイントで使い温かみを出してバランスをもたせたデザインにしたいと考えました。

具体的なデザインを実現できる会社を探していたんですね。当社の印象はいかがでしたか?
日本の業者は提案や進め方に柔軟性が足りないと感じていました(笑)その点クロノバデザインは柔軟で日本の業者なの?とおもわせるほどです。

担当ディレクターが中国で働いていたので海外仕様なのかもしれません(笑)お気に入りの場所を教えてください。
カフェバーのカウンターです。お客様からもおしゃれと評判です。ギャラリーに入った瞬間目立ちます。そして、ギャラリー空間では可動壁が気に入っています。自由自在に壁のレイアウトが変わるので作品点数や大きさにあわせてレイアウトを変えられるため、展示企画がしやすくフレキシブルな機能性が良いところです。

お客様からの反応はいかがですか?
レセプションではアーティストからの評価も良かったです。ここで展示できたら素敵という声も聞こえてきて、クリエイティビティを刺激する空間になったと感じます。

クロノバデザインより

中国では今アート市場が活発です。世界の現代アート市場の3割が中国で取引されています。その中で中国でなく、あえて東京でギャラリーをつくり「優秀なアーティストが自由に力を発揮できるプラットフォームを目指す」という清アートスペースさんの思いは、日本のアート市場に1つの活気をもたらし、今の日本の若手アーティストが本当に欲する場なのだと感じました。

銀座のギャラリーを外から見てみると、ふらっと入ることに難しさを感じます。このハードルを、ファサードからも見えるカフェバーを設置して下げることで、気軽に入れる雰囲気を生み出し、実際に地域や若い方が訪れるきっかけとなっていました。アート自体に敷居の高さを感じる人も、ここに訪れれば、自分の接してきたPOPカルチャーの延長線に、アートがあると感じられる場になっています。

広報担当のSが今回お話をお伺いしましたが、たまたま李さんと同じ美大で学科を卒業したとわかり、親近感をもってお話をお伺いしました。そこで芽のなかなか出ないアーティストへ活動のアドバイスをお伺いしたところ、作品発信の仕方を考えてほしいとのこと。誰に発信したいのか、買ってほしいのか、発表するべきなのか。美術館関係者やコレクターなどに発信しつづけないと意味がないとのお話でした。SNSでの発信、清アートスペースさんのようなマネジメントを含めたギャラリーに作品を見てもらうなど売り込み方がポイントのようです。今後は将来性のある美大生へのサポートや美大へ展示会の情報を流してアーティストとの交流も図りたいとお話いただきました。

6月にはミュージシャンとコラボした企画もあるそうです。アートを通じて地域とアーティストの交流、そしてアーティストが成長できる場としてどう発展していくのか、これからも注目したいと思います。

>清アートスペースの実績を見る

 

清アートスペース
住所:東京都港区南青山3-2-9 1F
TEL:03-6432-9635
営業時間:火~日 11:00-19:00
定休日:月曜日・祝日
HP:http://www.kiyoshiart.com/

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