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コロナ禍で個人飲食店が生き残るには?店舗の「ワンオペ化」「省力化」がポイント

update :

新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めてから、3年目の春を迎えました。
その間、飲食店は大変な苦難に見舞われ続けています。

営業時間の短縮やアルコール類の提供に関してたびたび自粛要請が出たことなどで、経営難に陥った店舗も多く、2021年8月末時点で実に4万5,000店が閉店に追いやられたというデータもあるほどです。(日本経済新聞「コロナ禍、4.5万の飲食閉店 協力金で支えきれず」参照)

しかも、その多くは個人店だったそうです。
まさにこの2年余りは、個人経営の飲食店にとって終わりの見えない長い長い冬の時代だったと言えるでしょう。

それを受けて、「飲食店で働きたい」という若い人も減っています。
もともと就職先として飲食業は人気度が低いと言われてきましたが、コロナによってさらに追い打ちをかけられた形です。
私たちの実感としては、この状況は残念ながらしばらく続くと見ています。

「ワンオペ化」「省力化」の道

では、この苦境に対して、飲食店の経営者側は何もなす術がないのでしょうか?

いいえ、決してそんなことはありません。
飲食業界の方々と仕事で関わっている中で、苦しい状況の中でもひとつの可能性が見えてきました。
それは、「ワンオペ化」「省力化」の道です。
コロナ禍にあっても、ワンオペもしくはそれに近い少人数の店舗では、利益をあげている例があるのです。

たとえば、客単価の高い業種、フレンチや高級鮨店をイメージしてみてください。
広さは10坪前後でカウンターとオープンキッチンで、席数は10席程度、客単価8千円~のお店です。

▶︎麻布十番 鮨 薪介

この規模であれば、最悪オーナーシェフひとりでも対応できます。

しっかりとした常連さんがついていれば十分に利益を上げるお店をつくることが可能です。
さすがに一人では厳しいという場合でも、身内の方や若い未経験の方のサポートでも得られることができれば人件費が安く抑えられます。
高い求人費を払っても人は来てくれないのですから、一人でやれる範囲で頑張って張り紙をみて働きたいと言ってくれる人を待った方がいいことも。
また、周辺の常連さんを中心であれば立地も必ずしも一等地である必要もなく、家賃が安い物件で始められる可能性も高いと言えます。

その分、原価に費用を掛けて割安感を感じてもらえれば十分他者との差別化が成り立ちます。
つまり、「ワンオペまたは最少人数」の「リーズナブルなお店」であれば、どんな困難な時代であっても経営が成り立つ可能性が高いのです。

また、最近の傾向としてカフェやバー業態の依頼が多くなり始めています。
これらの業態もドリンク主体であることからワンオペないし少人数での開業が可能です。これらの業種の場合、店舗デザインの果たす役割は非常に大きいと言えます。

▶︎Goda Cafe

さらに、このようなお店づくりは、「飲食店の人手不足」という問題も解決します。
というのも、店主にこだわりがあり、店舗デザインや雰囲気づくりを通じてそのコンセプトが明確なお店には、「このお店で働きたい!」という意欲ある若い人が集まります。

アフターコロナに向かって個人経営の飲食店が進むべき道は、「より “こだわり” のあるお店づくり」です。
コンセプトがあいまいなお店には、お客さまも従業員も集まらない ── 今はそんな時代なのです。

では、具体的にはどのようなお店作りをすればいいのでしょうか?
それについては次回のコラムでお話しします。

コロナ禍に負けない! 「ワンオペ・省エネ」で成功したこだわりの飲食店事例

麻布十番 鮨 薪介の内装・外装

▶︎麻布十番 鮨 薪介  格式と、温かな「おもてなし」の心溢れる店づくり

古き良き「もてなし」の心を大切にする “茶室” がコンセプトのすし店。
オーナーが直接工房に掛け合って作ってもらった座り心地抜群の椅子、店内の様子が見えそうで見えない組子格子の室内扉など、細部までこだわってデザインされています。
また、カウンターの後ろに厨房とつながった受け渡し用扉を設け、板前さんの手元近くに呼び出しボタンを設置したのは、お客様の注文から料理の提供までをスムーズに進めるためのアイディアです。

Goda Cafeの内装・外装

▶︎Goda Cafe ゆったりとした時間が流れる西インド料理店

世田谷の昔ながらの住宅街・松陰神社にオープンした、西インド料理のカフェ&スパイスバル。
異国情緒を感じさせつつ、落ち着いた雰囲気で街に溶け込む空間デザインを目指しました。
店内は木目を基調に、エスニックなモザイクタイル、DIYしたカラフルな瓶のランプシェードなどで、ほっこり和めるカフェっぽさを演出。
客席は、大きなガラス面から若林公園の緑を望む窓際席、オーナーと会話も弾むオープンキッチンのカウンター席、複数人でわいわいできる中央席と、お客様の好みで使い分けできます。

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