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Magazine 03

project story

プロジェクト ストーリー

TAG

  • 飲食店
  • 和食系

TITLE

“一流店”を 一から一緒に創りあげる

NAME

南麻布 鮨よし田

ADDRESS

東京都港区

国際色と美食が彩る街、南麻布

大使館が建ち並ぶ国際色豊かな街、南麻布。都心の一等地であり、美食に精通した住人が多いこの街には、様々な食の名店が軒を連ねている。 そんな街に、オープン間もないうちから食通の間で話題の店「南麻布 鮨よし田」はある。

クライアントが持つ
テーマを際立たせる

温故知新を
体感する“舞台”

「ワインと合うお鮨を提供したい」
初めて店主と面会した日、店主が私たちに言った言葉だ。“鮨とワインのマリアージュ”をテーマに、正統派の鮨にワインをペアリングして提供するという。それは日本人にとっては真新しいが、外国人にとっては定番の組み合わせだ。

そこで、私たちは温故知新をヒントに、王道であり伝統的、かつ新しさを感じさせる空間を“能舞台”というコンセプトで表現しようと考えた。カウンターの内側は、職人にとって言わば舞台である。その神聖な領域を隔てる結界をカウンターに見立て、こだわり抜いた鮨とワインを振る舞い、お客様をもてなす“場”にしようと考えたのだ。

デザインを
コンサルティングする

パートナー発想を持って、
職人の気持ちにとことん寄り添う

私たちはただ店舗をつくるのではなく“繁盛店をつくる”ことを重要視している。そのために、時には物件選びからサポートしたり、材料探しを一緒に行ったりする。
今回特にこだわったのが、料理を提供するカウンターだった。「上質な白木を無塗装で使用したい」という店主のこだわりがあり、理想とする檜の無垢材を探すべく、店主と共に現場まで出向き納得のいくものを探していった。

高級な鮨店の象徴ともいえる檜のカウンター。しかし、無垢の檜ならではの難しさがある。今回せっかく店主と選んだ檜の板も、いざ工場で加工を始めると木の目がきれいに揃わないという問題が生じたのだ。そこから各所を調整し、なんとかベストな木目の状態にまで仕上げることができた。

鮨の握り方にセオリーがあるように、鮨店の造り方にもセオリーがある。一流を目指す鮨店では、特に厨房とカウンターの設計にこだわる。
本プロジェクトも例外ではない。店主と共に探した檜の無垢材を使用したカウンターは、高さや幅を入念に計算。店主の手さばきや動き方を理解したうえで、オーダーメイドのようなアプローチで位置関係と動線を設計した。
また、多くの鮨店のカウンターは、一辺を長く設計するのが一般的だ。しかし、今回は正方形でかたち作られる能舞台にならい、正方形に近い寸法で設計した。それにより、お客様はカウンターのどの位置からでも職人の美しい所作を見られるようになった。そしてそれは、職人にとっての動きの無駄を省くことにもつながる。

当社はこれまでに、数多くの一流を目指す飲食店を手がけてきた。その中には、海外の有名なレストランガイドから高評価を得た個店もある。
これまでのノウハウを活かすのはもちろんのこと、作り手発想のみにとらわれないよう、実際にいちユーザーとして様々な業種の店舗へも足を運ぶ。そこで、働き手の所作や動き方を観察・研究することをいとわない。

想いを細部に宿す

クライアントの期待を超えて“裏切る”

料理の世界観を引き立たせるため、意匠性にもこだわった。カウンター内の天井の四方に四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)を描くことを提案。そして、中国の古い家紋、剣の柄に使われるあしらいなどをモチーフに一体ずつ描いていった。
しかし、最終段階でこの四神のイラストデザインが問題となる。店主はアートにも通じた選択眼の確かな方。ラフで描いた試作品の完成度に対して、はっきりと駄目出しが出たのだ。そこからさらなるブラッシュアップを目指し、当社アートディレクターとイラストレーターが厳しいセッションを重ねながら、店主が納得のいくデザインを完成させた。この四神には「災いから守り縁起良く繁盛が続きますように」との願いを込めている。

扉や棚のアクセントとなる組子のデザインにもこだわった。「組子を取り入れたい」という当初からの店主の要望もあり、お店のモチーフである“能舞台”から“松”をテーマに、ここにしかないカスタムメイドの組子をつくりだすこととなった。2つの文様を組み合わせる“帯わけ”という手法を用い、三つ組手文様をベースに麻の葉文様を組み合わせたデザインで松を表現。結果、職人の手仕事で制作日数一ヶ月、一点ものの組子が完成した。

今回のプロジェクトでは、店舗設計のほか、ロゴ、メニュー、ショップカード、名刺も含めたトータルでのデザインを手がけている。ロゴの文字は、ハネやはらいなどを細かく修正しながら、緊張感漂う雰囲気を表現した。
これらを一貫して手がけることは、ブランディング観点から個店の世界観をより強く訴求することに繋がっている。

一流店には、その道を極める者にしかわからない店主のこだわりが数多くある。私たちは、そこに応えるだけでなく、デザイン視点で個店の世界観をトータルでかたちづくる。そして、オーナーのビジョンに対してコンサルティングまでを担うことで、個店の価値を最大限に高めていきたい。

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DATA
店舗情報

  • 店名南麻布 鮨よし田
  • 竣工2019年
  • 住所東京都港区南麻布 5-1-2クラウディアビル 1F
  • 広さ53.9m²/16.3坪

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